お化けが出て来るので「怪談」、昔新宿辺りにその樹液が万病に効くといわれた榎の大木があって「乳房の榎」と言われていた、それにまつわるお話なのでこのタイトル。
自慢じゃないが赤坂大歌舞伎は全部観に来てる。
お目当てはいままでは勘三郎さん。
勘三郎さんのあの芝居を楽しみに赤坂へ足を運んできた。
勘三郎さん亡きいま、長男勘九郎がその重荷を背負って奮闘しているのを応援するつもりの今年の赤坂詣で。
見所は勘九郎の三役早替わり。
イリュージョンです!
ほんとビックリのエンターテイメント!!
早替わりも見所だけど、それだけじゃない物語もワクワクの人情劇。
そしてリアルに舞台を観ると言う臨場感。
中村屋を背負って行く勘九郎の熱演。
と全てが見所満載。
歌舞伎なのに台詞も演出も解りやすくて、初心者でもすぐに引き込まれて違和感全くない。
これが中村屋の良い所です。
歌舞伎のハードルを低くしているのに実は奥が深い。
懐が深い感じがするのです。
元武士で今は絵師になった菱川重信。
その妻、お関。子供が生まれたばかり。
正直で忠実な重信の下男の正助。
幸せに暮らしていた重信の家族の元に極悪人の侍、磯貝波江が現れる。
波江はもとの勤め先の金2千両を着服して姿をくらましていたが、放浪先でお関に出会う。お関の美しさに血迷った波江はいろいろ策を巡らせて重信の弟子になる。
周りの人を信用させて安心させた頃に、お関をレイプしてものにしてしまう。
そのうえ真面目な正助をだまくらかして手下にし、重信を殺し、さらに重信とお関の子供まで殺そうとする。
もう一人主要な人物、うわばみの三次。
金のためなら何でもやる男で、実は波江が2千両をくすねる時も手伝っていた男。
殺されてしまった絵師の重信は書き残した絵と家族の思いが強くて幽霊となって登場。
自分の子供が波江の指示で正助に殺されることになると、幽霊となって登場して正助をいさめる。
惨い波江の言うことを聞いていた正助もさすがに思い改めて子供だけは助けて自分で育てることにする。
最後はやりたい放題だった波江が乳房の榎のもとに来て、正助とお関の子供に出会い、果たし打ちにあって殺されてしまうという話し。
ストーリーも解りやすくて面白いし、これだけだとドロドロした「サキ」っぽい感じがするが、そこは中村屋なので、計算されたアドリブも盛りだくさんで笑いどころもいっぱい。
重信、正助、三次の三人を勘九郎が一人で演じる。
悪役の波江は中村獅童。
お関は中村七之助。
勘三郎さん亡き後、この3人が舞台を熱演しているのにもちょっと熱く感じるものあり。
ほんと赤坂大歌舞伎は毎回面白い演目ばかり、良く出来てる。
今回、席はJ列という2階の一番後ろから2番目のすごい上の席だったが、勘九郎さん、途中サプライズで2階席を走り抜けたりして、やっぱり中村屋のサービス精神は半端ではないです。
というか、そういう歌舞伎を目指して突っ走っていたのが中村勘三郎さん。
ここで改めてご冥福お祈りいたします。
楽しかったです。
プル太さん、最近なんの縁か、ジャズを聴く事が多いのです。
返信削除が、ジャズって猫に小判、馬の耳に念仏です。
僕には、雑音にしか聞えません。
ですが、この歌舞伎。
先ずは、プル太さんの懐の広さに敬服です。
とても、やっちゃ場の貴公子とは思えません。
なのでね体験してみたいと思いました。 が既に済んでいるものですしね。
で、31日に噺を聞きに行きます。
ま、これも江戸文化の名残のようなもの。
どまで、歌舞伎と相通じますやらです。
こんばんは。
削除歌舞伎好きではありますが、実はそんなに詳しいわけではなく。
家の奥さんが歌舞伎にドップリとはまっておりまして、オイラのような素人でも楽しめそうな演目の時に「観てみる?」って誘ってもらって行く感じです。
でもこの赤坂大歌舞伎はほんと面白いですよ。
とっかかりにはすごく良いと思います。