ミラノの本店はミシュランの3つ星レストラン。
「こんな時に」と怒られそうだし、自分も浮かれてていいのかという気もしないでもないが,この日のために1月から予約を取っていた。
しかも一休マーケットのクーポンで予約してあったので、既に代金は前払いで払っているのと同じ。3月末までの使用期限のクーポンなのでキャンセルするわけにもいかない。
地震のこととはまた別に記念日は記念日で楽しむことにする。
同じく一休マーケットでゲットしてあったホテル西洋銀座へチェックインして、2人で歩いて丸ビルへ。
丸ビル(左)と新丸ビル(右)。 |
前日に店から携帯へ電話があった。「明日ご予約いただいてますが、いらっしゃれますか?」と。
「行きますよ」と応えると「実は今回の震災の影響で通常23時までの営業なのですが、丸ビルが21時で終了するので当店も21時終了となります」とのこと。
19時で予約してあったが「じゃあ18時に変更してください」とお願いした。
夕暮れ前の16時過ぎに丸ビルへ行ってテナントのお店をのぞきながら時間を潰す。
地震の影響で外出を控えた人が多くて街はガラガラなのかと思いきや、結構な買い物客の人出。
若いカップルが多い。
1階のラウンジの大型モニターでは枝野官房長官が茨城のほうれん草が放射線を被って出荷停止になったことを説明してる。
異常な光景に見える。
隣の新丸ビルにも行ってみる。
ここの5階にある中華料理「随園別館」は、本当であれば先週に親の金婚祝いの伊豆下田旅行の帰りによるはずだった店。
予約してあったが下田旅行自体を白紙にしたので、こちらは泣く泣くキャンセルした。
18時近くなったので丸ビルへ戻り、36階へエレベーターで向かう。
エレベータに乗ってちょっと緊張してくる。
オイラもいい歳なのでそれなりな経験はしているものの、こんなに本格的なイタリアンレストランなんて考えてみたら初めてかも知れない。
ネットで見て、奥さんが喜びそうなサプライズな高級レストランを予約したけど、結構敷居が高そうなインプレが書いてあったし、といまさら、というか遅ればせながらドキドキしてくる。
「ポーン」とエレベータが到着してドアが開くと、重厚な感じのフロアのイメージ。
エレベータホールからグルーッと歩いて行くと、その店があった。
イタリア人らしきおじさんがいるフロントで予約した旨伝えると、コートを預かってくれて、気持ちよく席まで案内してくれた。
しかし席まで長ーいワインセラーの間の通路を通っていく。
お店の半分がワインセラーで厨房の面積も入れると、客席はそんなに広くも無い。
20席弱くらい。
記念日で早めに予約してたからか、窓際の夜景を良く見えるように気を使ってくれたと思われる席に案内される。
節電で夜景はちょっと寂しい感じ。でもいたしかたないな。 |
「節電の影響あるの?」とサービスの人に聞いてみる。
「いつもならライトアップした葛西臨海公園の観覧車やディズニーランドの花火が見えるのですが。いつもはこの周りのビルももっとライトアップされているのです」という。
確かに夜景が素晴らしいと聞いていたにしては物足りない感は否めない。が仕方がない。
お飲物は?と言われて、食前酒は頼まずにワインをお願いする。
ワインリストが来る。
「イタリアワインで白でスッキリ系でどれかおすすめを」とお願いしてみる。
これが今はお勧め、と言われたのはボトルで3万円近くて却下。
「その半分くらいの値段ので」というと「それではこれが良いと思います」と言われたのがまだ予算の上限を超えていたので「いやいやもう少し優しいお値段のでお勧めは?」と。
「Gavi 2009 LA SCOLCA 」でお願いする。
GAVIなら知ってるので安心なのだが、2万本のワインのストックがあるという店なので、知らないワインを飲ませてもらうのも楽しみにしてたのだがまあいいか。
一休のクーポンは1口5,000円で8,000円として使える。それを6口購入していたので30,000円で事前購入して、当日は48,000円分使える。
なので料理のコースで2人で36,000円くらい。ワインを12,000円ぐらいでちょうどいい案配だとあらかじめ考えていたのだった。
料理は1人18,000円の特別グルメコースをお願いする。
しかしインプレではいろいろ書かれているが、思ってたよりも敷居は高くないし、サービスの人もフレンドリー。「あそこに見えてるのなんですか?」と聞けば「えーと,よく解んないですすいません」みたいなやり取りだったり、「おいしー」といえば「良かったです」と言ってくれたり。
ぜんぜん居心地の良いレストランだった。
「料理の写真撮っても良いですか?」と聞いても「どうぞどうぞ」って言ってくれたし。最初はどんな感じなのかちょっと構えてたけど、普通にリラックスして楽しめた。
それでは「アンティカ オステリア デル ポンテ」の食事。
まずはAPERITIVO。
一口サイズのチーズ。クセが無くてスルッと入ってく。胃の中にまずは幕を張っておく?
次の前菜。
アミューズ、鴨肉と杏子 ごぼうのチップ。
おいしいっ!
次もまだ前菜。
「青森:深浦産ヤリイカのソテーとイタリア産カルチョーフィ’マモーレ’ワイルドルコラのサラダ仕立て 煮詰めたバルサミコのアクセント」だと。
すごー、美味いよー。
「青森からヤリイカが届くんですか?」と聞いたら
「今はこんな状況なので違う所から届けてもらってます」だそう。
ワイルドルッコラ、と言うのがすごい味が濃くって食べたことない美味しさ。
またイカがシコシコプリプリしていて美味い。
バルサミコのソースも上品な濃厚な味。
余震で揺れる。
「地震の当日は大変でしたか?36階なんてすごい揺れたのでは?」と聞けば「ランチタイムの終わり頃なのでお客様少なかったけど大変でした」などお店の人もフランクに応対してくれる。
リゾットが来る。
「イタリア・トレビーゾ産トレビス’タルティーボ’とトレンティーノ産生ハム’スペック’でマンテカーレしたリゾット タルティーボとスペックのサラダを添えて」
つまりリゾットの具と具に使った材料をサラダとして生で乗せてあるもの。
紫色のトレビスのリゾットなので見たことない紫色のリゾット。
でも色よりも歯応えにビックリ。
ポリポリというのかポキポキというのか,ほんとに不思議な今までに体験したことのない米の食感。
不思議だし美味い、ビックリ。
次は魚。
ワインもタイミング良く注いでくれるし、料理も良い具合に持ってきてくれる。
ほんとに良いレストランってこういうことなんだなーと感激。
「青森県・下北半島産天然平目のバポーレ ウイキョウのクレマを添えて チンタセネーゼのグアンチャーレとシチリア産グリーンオリーブを散りばめて」
同じく青森から今、ヒラメを運ぶことはできないらしい。
でもどこ産だかはオイラの舌ではもともと解らないし、どこ産にしろこんなに美味いのは食べたことない。
「ウイキョウってなに?」と店の人に聞いてみるがはっきりとした答えは無かった。
タマネギみたいだが何だかちょっと違う。
そしてメイン、肉料理。
「シェフ・サンティン厳選の特選和牛ヒレ肉のソテー 契約農家直送とれたてのカブとサラダを添えて 香り高いモデナ産バルサミコのソースと黒胡椒’サワラク’のアクセント」
美味ーい!
肉もうまいが、バルサミコソースが美味いっ。
いつもはカブも好んで食べない食材だったが、恐る恐る食べてみたら美味しいのでビックリ。
ちなみにこんなにめんどくさいメニューの名前をどうして書いていけるかと言うと、頼んだメニューの印刷したのをくれていたから。
飛行機の機内食メニューが書いてあるやつみたいなのを最初に置いて行ってくれる。
そういえば、新婚旅行で行ったスイス ツェルマットのホテル「ツェルマッターホフ」でもこうだったのを思い出す。
このあと頼んでおいたバースデーケーキが登場。
電話で予約した際に、イタリア語にしますか英語にしますかと聞かれていたので、せっかくなのでイタリア語で、と頼んであったがなんて読むのか解らない。
聞いたら「HAPPY BIRTHDAYです」とのこと。そうだった。
この他にまたデザート。
シリアルが下に敷いてあって上にクリームとイチゴ。
もうお腹がいっぱい。
そして最後にコーヒー。
カプチーノにしてもらう。
プティフールも出てくる。これも手作りだと言ってた。
もう食えないよ。
満足満足とお会計を頼んだら、
想定外に予算をオーバーしてる。
あれ?どーして、と思って良く見てみたら
サービス料が12%乗ってる。
すげー美味くて普段食べられない美味しい驚きの料理だったけど,驚きの料金でもあったな。
そんなに行けない店だけど、何かの記念があったらまた行っても良いかも。
奥さんが喜んでくれたのでまあ良し。
どこでも食べたことの無いレシピだったが、こうやって食べて参考にして家でやってみる勉強にもなるので,やっぱりたまに外で食べてみるのも良いと思う。
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